骨董品買取前日に起こった悲劇

父にコテンパンに怒られた、つまりブチ切れられたエピソードを聞いてください。
父の趣味は骨董品収集なのですが、もちろん私を含め、母も兄も骨董品のことは無知で、気付いたときから父の書斎には骨董品の書籍があり、自宅の納戸の奥には父が少しずつ本当に少しずつ集めた骨董品がありました。
父は特に陶器や壺が好きなようで、大きいものもありましたから納戸の一角を独占していたことに母はやや怒り気味でした。

母が父に何と話したかは謎ですが、父が収集した骨董品を買い取ってもらう決意をしました。もちろん父の骨董品収集をきっぱりやめるという話ではなく、父のお気に入りを残して他を手放そうという話です。
骨董品買取業者さんが来て、父が手放すと決めた骨董品7点を見積もってくれるということで、母の命令で納戸を一斉整理がはじまりました。
この数年、大晦日にすら掃除をしなかった納戸の一角なので、母が張り切って家族4人総出の命が出たわけです。

そんな納戸大掃除計画のさなか、私はやってしまったわけです。
父が骨董品スペースを整理しつつ、私や兄に壺や陶器を手渡し、リビングの方に運ぶという簡単な作業なわけですが、母がかける掃除機をジャンプしたそのとき、ずっこけでしまったんですよ。
その瞬間、私ではなく、兄に骨董品を手渡そうと入口側を向いていた父が、「うわあああああああああ！」。
そのまま空しく、私の両手から壺がこぼれ落ちました。後はお察しのとおりです。
漫画のように割れた壺に、すぐさま父が駆け寄り、すっ転んだ私には目もくれず（笑）、父は壺を見ながら「うわああああ」と再び叫ぶ。母も兄も、「あーあ、でもしょうがないじゃん」と。
あまりうるさく言わない父ですが、壺が割れたことが現実と分かった瞬間、すっ転んだ私に気付き、本気でことごとくブチ切れられました。
私的にはこっちの方が漫画のようでしたが。

翌日買い取られたのは、私が割ってしまった壺を除く6点でしたとさ。
そんなにキレなくても・・・と思いますが、父にとっては唯一の趣味。可哀想なことをしてしまいした（苦笑）。